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外壁塗装の下塗り材とは|プライマー・シーラー・フィラーの違いと選び方を施工管理8年が解説

外壁塗装の下塗り材(プライマー・シーラー・フィラー・微弾性フィラー)の違いと、外壁材ごとの選び方を施工管理8年の二級建築士が解説。下塗りを省く手抜きの見分け方や見積書の確認ポイントもまとめます。

森田 健 二級建築士 監修

ゼネコン施工管理8年|二級建築士

・ 読了 約9分

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外壁塗装の見積書に「下塗り:シーラー」「下塗り:微弾性フィラー」などと書かれていて、これが何を意味するのか分からないまま契約していませんか。下塗り材は、上塗り塗料を外壁に密着させる「接着剤」の役割を持つ最重要工程で、ここを間違えたり省いたりすると、どんな高級塗料を上に塗っても数年で剥がれてしまいます。

私はゼネコンで施工管理を8年務めた二級建築士です。下地と塗料の相性で仕上がりが決まる現場を数多く見てきた立場から、施主が知っておくべき下塗り材の違いと、見積書での確認ポイントを整理しました。

この記事を最後まで読めば、下塗り材の種類と、自分の家に合った選び方、手抜きの見分け方まで分かります。

📌 結論(先に書きます):下塗り材は大きく「プライマー(シーラー)=下地を固める・密着させる」と「フィラー=凹凸やヒビを埋める」に分かれます。サイディングなら主にシーラー、ひび割れの出やすいモルタルなら微弾性フィラーが選ばれるのが一般的です。見積書では下塗り材の「製品名と塗り回数」が書かれているかを必ず確認してください。下塗りを省く・1回で済ます業者は要注意です。

この記事で解決できる疑問

  • そもそも「下塗り」とは何のための工程?
  • プライマー・シーラー・フィラーは何が違う?
  • 自分の家の外壁にはどの下塗り材が合う?
  • 微弾性フィラーはどんなときに使う?
  • 下塗りを省く手抜きはどう見分ける?
  • 見積書で下塗りの何を確認すればいい?

ひとつずつ整理していきます。

下塗りとは何のための工程か

外壁塗装は「下塗り→中塗り→上塗り」の3回塗りが基本です。このうち下塗りは、外壁(下地)と上塗り塗料の間をつなぐ最初の1回を指します。

下塗りの役割は、主に次の3つです。

  • 密着:上塗り塗料が外壁にしっかり食いつくようにする(接着剤の役割)
  • 下地の安定:劣化して粉っぽくなった下地を固め、塗料を吸い込みすぎないようにする
  • 下地調整:細かいヒビや凹凸を埋めて表面をなめらかにする

この下塗りを飛ばすと、上塗り塗料が外壁に密着せず、数年で塗膜がペリペリと剥がれる原因になります。色がつく中塗り・上塗りは目立ちますが、仕上がりの寿命を左右するのは見えない下塗りです。

プライマー・シーラー・フィラーの違い

下塗り材は呼び名が複数あって混乱しがちですが、役割で整理すると分かりやすくなります。

種類主な役割仕上がりの特徴
プライマー密着(接着剤)薄く塗る・金属やサイディング向け
シーラー密着+下地の吸い込み止め薄く浸透させる・サイディング/軽度劣化のモルタル向け
フィラー凹凸・ヒビを埋めるやや厚く塗る・モルタル向け
微弾性フィラー凹凸を埋める+ヒビ追従の弾力厚膜・ひび割れの出やすいモルタル向け

ざっくり言うと、**「プライマー・シーラー=密着させる薄い下塗り」「フィラー=埋める厚い下塗り」**という区別です。プライマーとシーラーはほぼ同じ意味で使われることも多く、厳密な定義はメーカーによって異なります。

💡 「プライマー(primer)」は英語で“最初に塗るもの”の意味で、下塗り材全般を指す広い言葉としても使われます。見積書で用語が混在していても、要は「密着系か・埋める系か」を見れば判断できます。

外壁材ごとの下塗り材の選び方

どの下塗り材を使うかは、外壁材の種類と劣化状態で決まります。代表的な組み合わせは次の通りです。

外壁材一般的な下塗り材理由
窯業系サイディングシーラー/プライマー表面が比較的平滑で、密着重視
金属系サイディング金属用プライマー(錆止め)錆を防ぎ密着させる
モルタル(劣化少)シーラー吸い込みを止めて密着
モルタル(ヒビあり)微弾性フィラー凹凸とヒビを埋め、追従性を持たせる
ALCシーラー+場合によりフィラー吸水性が高く下塗りを十分に

※あくまで一般的な組み合わせの目安です。実際は塗料メーカーの仕様書(適合する下塗り材)に従って選定します。

ポイントは、**上塗り塗料と下塗り材は「セットで適合が決まっている」**ということです。塗料メーカーは「この上塗りには、この下塗りを使う」という組み合わせを仕様書で指定しています。業者が自己流で安い下塗り材に変えると、密着不良の原因になります。

微弾性フィラーはどんなときに使うか

モルタル外壁でよく登場するのが微弾性フィラーです。これは下地の細かなヒビ(ヘアークラック)に追従する弾力を持たせた、厚めに塗る下塗り材です。

モルタルは乾燥収縮などで細かいヒビが入りやすい素材です。普通の硬い塗膜だとヒビの動きに追従できず、塗膜まで割れてしまいます。微弾性フィラーは、わずかな伸縮を吸収してヒビが表面に出にくくする狙いがあります。

ただし注意点もあります。

⚠️ 微弾性フィラーは「細かいヘアークラックをカバーする」もので、構造に関わる大きなヒビ(幅0.3mm以上の構造クラックなど)を埋めるものではありません。大きなヒビは、フィラーを塗る前に専用の補修(Uカット・シール充填など)が必要です。「フィラーを塗れば全部直る」という説明には注意してください。

ひび割れの種類や補修方法はモルタル外壁のひび割れ補修+塗装の費用で詳しく解説しています。

下塗りを省く手抜きの見分け方

下塗りは見えなくなる工程なので、手を抜かれやすい部分でもあります。次のような点をチェックしてください。

  • 見積書に下塗り材の製品名が書かれているか(「下塗り 一式」だけでないか)
  • 下塗りの塗り回数が明記されているか(吸い込みの激しい下地は2回必要なことも)
  • 上塗り塗料と下塗り材のメーカー適合が取れているか
  • 施工中に下塗りの写真を残してもらえるか
  • 「3回塗り」と言いつつ、実は下塗りを省いて中塗り・上塗りだけになっていないか

特に、劣化が激しい下地や吸い込みの強い外壁では、下塗りを2回行うことがあります。「下塗り1回で十分」と決めつける業者より、下地を見て回数を判断する業者のほうが信頼できます。3回塗りの全体像は外壁塗装の3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)はなぜ必要?も参考にしてください。

💡 下塗り材は上塗り塗料より安価なことが多いですが、安いからと省いていいものではありません。むしろ下塗りをきちんとやるかどうかで、10年後の塗膜の持ちが大きく変わります。

見積書での下塗りの確認ポイント

見積書を受け取ったら、下塗りについて次を確認してください。

確認項目望ましい記載例
下塗り材の種類「微弾性フィラー ◯◯(製品名)」
塗り回数「下塗り 1回(吸い込み強い箇所2回)」
上塗りとの適合同一メーカーの推奨仕様で統一
数量「◯◯㎡」と面積が明記

「下塗り 一式」とだけ書かれ、製品名も回数も分からない見積書は、後から手を抜かれても気づけません。相見積もりの際は、各社の下塗り材の種類と回数を揃えて比較しましょう。

まとめ

  • 下塗りは上塗りを密着させる最重要工程。省くと数年で剥がれる
  • プライマー・シーラー=密着系、フィラー=凹凸を埋める系
  • サイディングはシーラー、ヒビの出やすいモルタルは微弾性フィラーが一般的
  • 上塗り塗料と下塗り材は「メーカー適合」がセットで決まっている
  • 微弾性フィラーは細かいヒビ向け。大きなヒビは別途補修が必要
  • 見積書では下塗り材の「製品名・回数・適合」を確認する

下塗り材の良し悪しは仕上がりの寿命を左右しますが、見積書の用語だけでは判断が難しい部分でもあります。だからこそ、複数社に同じ条件で見積もりを出してもらい、下塗り材の種類・回数を見比べるのが確実です。

一括見積もりで各社の仕様を並べれば、下塗りを丁寧に提案する業者と、曖昧にごまかす業者の違いが見えてきます。

外壁塗装の一括見積もり


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よくある質問(FAQ)

Q. 下塗り材は施主が選べますか? A. 基本的には、選んだ上塗り塗料に適合する下塗り材を業者が選定します。施主が指定するより、「上塗りに合った下塗りを使っているか」を確認するのが現実的です。

Q. プライマーとシーラーはどう違うのですか? A. どちらも密着を目的とした薄い下塗り材で、ほぼ同義で使われることも多い言葉です。厳密にはシーラーは下地の吸い込みを止める働きが強調されますが、定義はメーカーによって異なります。

Q. 下塗りは何回塗るのが正解ですか? A. 一般的には1回ですが、劣化が激しく塗料の吸い込みが強い下地では2回塗ることもあります。下地の状態を見て判断するのが正しく、「必ず1回」と決めつけるものではありません。

Q. 下塗り材を省くとどうなりますか? A. 上塗り塗料が外壁に密着せず、数年で剥がれ・膨れの原因になります。見えない工程ですが、塗膜の寿命を最も左右する部分なので省略は避けるべきです。

Q. 微弾性フィラーを塗ればヒビは完全に防げますか? A. いいえ。微弾性フィラーは細かいヘアークラックの追従には有効ですが、構造的な大きなヒビは別途補修が必要です。「フィラーで全部直る」という説明は鵜呑みにしないでください。

外壁塗装の見積もり、相場と比べていますか?

同じ工事でも業者によって数十万円変わります。相見積もりで複数社を比べるのが、損をしない一番の近道です。

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